【野生のクマの目撃情報から捕獲・解体まで】ハンターと行く!有害鳥獣駆除業務について【元公務員がマイルドに書く】

こんにちは!

元公務員・現役フリーランスフォトグラファーのたかちゃです!

みなさん、【有害鳥獣】と聞いて、どんな動物を想像しますか?

きっとみなさんが想像した動物全てが有害鳥獣に当てはまると思いますが、実はリスやウサギなど、「え?こんなカワイイ動物も駆除の対象になるの?」という動物も有害鳥獣に当てはまります。

今回は、地方公務員時代に経験した有害鳥獣駆除業務の経験を基に、クマの発見から、捕獲・解体までを僕の実体験をメインに、お話していきます。

一般的な会社に働いていれば滅多に経験することができない有害鳥獣駆除。

死と隣合わせと言っても過言ではない業務。

最後の最後に僕の考えを書いておりますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

この記事はこんな人におすすめ!
・行政職員で有害鳥獣駆除業務を担当している方、またはする可能性のある方
・有害鳥獣駆除隊員(ハンター)になりたい方
・市役所や役場の危険な仕事について知りたい方

これまで公務員の給料や、部署異動、メンタル事情についてお話しておりますので、気になる方は合わせて読んでみてください!

https://takaempirewakuwakuwack.com/koumuinn-antei-easymode/

https://takaempirewakuwakuwack.com/koumuinidou/

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本題に入る前に少し自己紹介をさせてください。

僕は北海道のとある地方自治体の職員として働いていましたが、一度きりの自分の人生、やりたいことにチャレンジしたい!好きなこと・得意なことで生きていきたい!と思い、「世間では」安定と言われる公務員を退職し、現在はフリーランスフォトグラファーとして活動しています。

↓↓↓たかちゃのプロフィールについてはこちらまで↓↓↓

https://takaempirewakuwakuwack.com/iamtakacha/

さて、それでは本題に入ってきましょう!

\\\\٩( ‘ω’ )و ////よっしゃいくぞーっ!!

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目次

そもそも有害鳥獣とは?

一言でわかりやすく書きます。

農林水産物に被害を及ぼす動物あるいは住宅地や家屋に侵入し人間に害を及ぼす動物のことです。

皆さんのイメージしやすい動物でいうと、カラスやシカ、イノシシ、クマなどですが、先ほどお話した通り、リスやウサギも有害鳥獣として捉えられております。※過去に行った農林水産省の調べによると、ウサギによる農作物への被害総額は6,200万円を超えたという調査結果も出ております!!

ウサギも含め、これら有害鳥獣による農林水産物の被害額は令和2年度では160億円超え!

すごい金額かと思われますが実は年々減少傾向ではあるんです。

それでも、住宅地への侵入や、車両との衝突事故、人を襲うケースは増えてきており、農林水産物に限らず、それら全てを合わせると被害額の数字以上に私たち人間に深刻な害を及ぼしています。

僕は有害鳥獣駆除の主担当ではなかったけど、キツネやリスなど、普段からよく写真に撮っていたから、彼らを駆除する部署に配属が決まった時は、当時の課長に「駆除はやりたくないです。」と素直に伝えたくらい、精神的に厳しい内容の業務だったけど、住民のためと思って業務に当たっていたよ。。。

【実体験】クマ出没の連絡から解体まで

さて、ここからは僕が実際に業務で経験したクマの出没の連絡から解体までの一連の業務を順を追ってお話していきます。

通報→ハンターに同行して付近を見回り→罠と注意喚起看板の設置→発見または罠にかかり次第駆除→解体→補助金申請

ざっくり流れはこのような感じです。

夏場は週に2回のペースでクマが出てたなぁ。おかげで少しワイルドたかちゃになれたよ。

【実体験】クマ出没の連絡!クマと目があったまま電話してくる住民!

まずクマを認知するタイミングはほとんどが畑作業をしている最中や、車で走行中の住民の方からの通報でした。

その後、職員で手分けをして警察とハンターに連絡し、現地へ向かいます。

必要に応じて、公共交通機関にも連絡し、周辺の注意を促します。

僕が対応した中で1番記憶に残ってる通報の電話はこんな感じです。

クマが出たからすぐ来てくれないか!?
家の裏にいるんだ!今クマと目があってるんだ!

これは正直焦りました。。。

とても危険な状態であることは電話越しからバシバシ感じ取れたので、すぐに警察とハンターを手配する旨を伝え、警察とハンターに状況を電話連絡しながら現場に向かいました。

現場は交通量もそこそこ多い国道沿いのお宅。家の裏手と脇は背の高い草藪に囲まれているお家でした。

到着すると、近くをパトロール中だった警察官が既に対応をしており、電話連絡を下さった住民の方に詳しい状況などを聴取している最中でした。

どうやら住民の方にケガはなく、大きな声を出したらクマは家の脇にある草藪に入って行ったとのこと。

ひとまず被害がなかったことが確認でき安心しましたが、まだクマが近くにいることは間違いなく、僕たちはハンターの到着を待ちました。

この年は特にクマの目撃情報が北海道内でも多い1年で、人が襲われたケースも数件報告を受けていたから、特に焦った電話だったよ。。。

【実体験】ハンター到着!クマと遭遇しても発砲できない!?

ライフル銃を持ったハンター2名の到着後、警察官は付近の住民への注意喚起のため現場を去り、現場にはハンター2名と僕たち職員2名となりました。

そこから、ハンター1人職員1人のコンビで現場の巡回のためにクマが入って行ったと言われる草藪へ2手に分かれクマの捜索に入ります。

ハンターはもちろんライフル銃を装備しています。僕たちは丸腰です。いつどこからクマが襲ってくるかもわからない状況の中、僕たちは武器になるものは何も持っていません。クマよけの鈴なんかでは戦えません。

※実際に僕が使っていた鈴はこちら↓ベルトに付けられて両手を使えるから、作業の邪魔にならずいい感じです!これまでクマにやられなかったのはこの鈴のおかげかも。

そんな死と隣り合わせの状況でのハンターさんとの会話はこんな感じでした。

ハンターさん。もしクマ見つけたら襲われる前に撃ってくださいね。僕何も戦えるもの持ってないんで。

いや、今ここで撃つことはできないんだ。たとえ見つけてもね。

へ?

住宅地に近いからね。行政や警察から許可が降りないと撃てないんだよ。
たかちゃは行政の人間だけど、今すぐには発砲許可は出せないだろ?

そう。

行政や警察からの許可なく住宅地で発砲した場合、「銃刀法」や「火薬取締法」、「鳥獣保護法」などに違反することになります。

でも、緊急の場合は別だよ。命が最優先だ。もし襲ってきたら俺がクマを撃つ。
安心しろ。死んでもたかちゃを守る。

ハンターさん。(あなたがやられたらワイもやられるんやで)

ちゃんと弾こめていつでも撃てるから、大丈夫だ!ほら!
ん?弾入ってねぇ!どこ行った!?

ハンターさん。。。(泣)

↑実話です。

【実体験】クマ罠の設置!赤い服を着たあのクマさんも大好きなアレで誘う!

巡回も終わり、ハンターのアドバイスのもと、罠の設置をしていきます。

クマ罠は重さ200キロ、大きさは軽トラックくらいの箱型の檻を使います。

その奥にハチミツを入れたバケツをぶら下げ、繋がったワイヤーに重みがかかったら即座に入口のシャッター式の扉が閉まる仕組みです。

本当にクマってハチミツが好きなんですね。テレビで見た通りだ。(あんなに穏やかなクマはいないだろうけど)

ただ、クマは基本的に雑食性であるため、なんでも食べるとのこと。

他の自治体では、シカなどの生肉を使用しているところもありました。

生肉の方が匂いが強烈でクマは寄ってきやすいとのことでしたが、それは人間にとっても強烈なことに変わりはないため、僕の自治体ではハチミツを使っていました。※試しになめてみたらめちゃめちゃ美味しかったw

ハチミツをセットしたら、あとは罠の上に周りの背の高い草などを被せてカモフラージュをし、掛かるの待ちます。

結論を言うと、1シーズンで約15ヶ所に罠を仕掛けましたが、罠に掛かったクマはいませんでした。

ただ、周りを歩き回った跡があったり、罠にクマの足跡がついていたり(罠を動かそうとした?)、など罠のすぐ近くにはきている形跡はあるのです。

1番ムッときたのは、罠の入口にウンチをされた時です。

バレバレだぞ❤️

とでも言われたかのようで、罠の入口に落ちてたソレはどこか誇らしげでした。

【実体験】クマをついに捕らえた!え?解体も手伝うの?

罠でクマを捕獲したことはないのですが、ハンターさんがライフルで仕留めた現場にいた経験はあります。

初めて仕留めたクマは子グマでした。

体に力が入っていない姿は、ぬいぐるみそのもの。

コストコで売ってるクマよりも断然小さくて、可愛かったです。

こんなにも愛くるしい姿なのに、人に危害を加える動物と判断されると命を奪われてしまう。

悲しいな。。。なんて思ってたら、

よし、たかちゃ!
これから解体するから手伝ってくれ!

へ?

言われるがままハンターさんの解体作業のお手伝いをすることになりました。

解体作業は、解体したクマの決められた部位を都道府県(僕の場合は北海道)へ送付しなければ補助金がもらえないため、行政職員の立ち会いは必要な作業とのことでした。

僕たち職員の作業は主に手足を抑えているだけで、あとはハンターさんが手際よく解体していきます。

ただ、高齢化が進むハンターさんたち。背骨や大腿骨などの太い骨に苦戦することが多く、若手の僕たちが任されることもありました。

僕は血とか骨とか、めちゃめちゃ苦手な人間だったので、作業の最中に意識がぶっ飛ぶかと思いましたが、やってみた感想は「あれ、案外大丈夫だ」でした。

仕事と割り切っていたからなのか、初めての経験に興味津々だったのか。

今となってはよくやってたなと思いますけど苦笑

解体した後の肉や爪などの、補助金申請に必要ない部位はその場にいるハンターや職員で分けて各自クマ鍋にして食べたり、アクセサリーにしたりするみたい!

まとめ

以上が行政職員が、クマの目撃情報を得てから解体作業後までの一連の流れです。

他のタヌキなどの有害鳥獣については、解体せずそのままの形で廃棄すること以外、大体は同じ流れで駆除業務を行なっています。

まとめます。

クマ駆除の通報から解体作業まで

通報があり次第、直ちに警察、ハンターに連絡し現地へ向かう

たとえハンターが銃を装備しているとはいえ、現場によっては発砲できない場合がある

ハチミツを使った罠を設置するが、クマは頭がいいため中々罠にかからない

仕留めたあとは、解体作業を手伝うこともある。その後補助金申請に必要な部位を道府県に送付する

と言うことで、クマをメインとした有害鳥獣の目撃情報から解体作業までマイルドに書いてみました。

現在行政職員で有害鳥獣駆除の担当をしている方、いずれ担当になる可能性のある方、行政職員の有害鳥獣駆除に興味のある方の参考になることができれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ばいちゃ!

危害を加える動物は駆除されてしまう。でも僕たち人間も森林破壊や海水汚染など、動物たちに危害を加えていることは確か。お互いが助け合いながら共生していける世界になればいいのにね。

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